第1回 傷跡はどこまできれいになる?

手術やケガの傷跡はきれいに治るのでしょうか?傷跡が目立たなくなるまでの経過や、きれいに治すためのポイントを形成外科専門医が分かりやすく解説します。


傷跡はどこまできれいになる?

「手術を受けたいけれど、傷跡が残るのが心配…」

美容外科のカウンセリングでも、このようなご相談を多くいただきます。

実際には、傷跡は時間をかけて少しずつ成熟し、目立ちにくくなっていくのが一般的です。

もちろん完全に傷がなくなるわけではありませんが、適切な手術・縫合・アフターケアを行うことで、できる限り目立ちにくい状態を目指すことができます。

今回は、形成外科専門医の視点から、傷跡が治る仕組みや、きれいな傷になるためのポイントをご紹介します。


傷跡は「完成」まで約1年かかります

傷は閉じたら終わりではありません。

皮膚の中では、その後もコラーゲンの再構築が続き、傷跡は徐々に成熟していきます。

一般的な経過は以下の通りです。

  • 1〜2週間:傷口が閉じる時期
  • 1〜3か月:赤みや硬さが目立ちやすい時期
  • 3〜6か月:赤みが徐々に落ち着く
  • 6か月〜1年:傷跡が成熟し、目立ちにくくなる

傷の見た目は時間とともに変化するため、術後間もない状態だけで判断しないことが大切です。


傷跡がきれいになりやすい条件

傷跡の仕上がりには、さまざまな要因が関係しています。

例えば、

  • 傷に余計な力がかからないこと
  • 血流が良いこと
  • 感染を起こさないこと
  • 紫外線対策ができていること
  • 適切な保湿やテーピングを行うこと

これらを意識することで、よりきれいな傷跡を目指しやすくなります。


形成外科専門医が大切にしていること

傷跡をきれいに仕上げるためには、手術後のケアだけではありません。

手術中から、

  • 傷に余計な負担をかけない切開デザイン
  • 緊張がかからない縫合
  • 丁寧な組織の取り扱い

などを意識することが大切です。

形成外科では、傷跡も治療の一部として考えながら手術を行っています。


「傷が残る」ではなく「目立ちにくくする」

傷は完全にゼロになることはありません。

しかし、

「どこを切るか」
「どのように縫うか」
「術後をどう過ごすか」

によって、仕上がりには大きな違いが生まれます。

美容外科では、見た目だけでなく、傷跡にも十分配慮した治療計画が重要です。


よくある質問

傷跡は完全に消えますか?

完全に消えることはありませんが、多くの場合は時間とともに目立ちにくくなります。

赤みはいつまで続きますか?

個人差はありますが、3〜6か月ほどで徐々に落ち着き、1年前後で成熟することが一般的です。

傷跡をきれいにするために自分でできることはありますか?

医師の指示に従い、テーピングや保湿、紫外線対策を継続することが大切です。


まとめ

傷跡は、術後すぐの状態ではなく、時間をかけて少しずつ成熟していきます。

手術方法だけでなく、切開デザインや縫合技術、そして術後のアフターケアも、傷跡の仕上がりに大きく関わります。

傷跡が心配で手術を迷われている方は、一人で悩まず、形成外科専門医へお気軽にご相談ください。


次回予告

「傷跡が目立ちやすい人・目立ちにくい人の違い」

体質だけではなく、部位や生活習慣など、傷跡に影響するさまざまな要因について詳しく解説します。

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任