女性の薄毛治療シリーズ 第5回 女性の薄毛治療でミノキシジルは効果がある?外用薬・内服薬の違いと副作用を医師が解説

「女性でもミノキシジルは使えるの?」

「塗るタイプと飲むタイプはどう違う?」

「使い始めると抜け毛が増えるって本当?」

女性の薄毛治療について調べると、よく目にするのがミノキシジルです。

ミノキシジルは、毛髪の成長を促す目的で使用される成分で、女性型脱毛症(FAGA/FPHL)の治療でも用いられています。

今回は、ミノキシジルの効果や外用薬と内服薬の違い、副作用について詳しく解説します。


ミノキシジルとは?

ミノキシジルは、毛包に働きかけて毛髪の成長を促す作用をもつ成分です。

FAGAでは、髪の成長期が短くなることで、

  • 髪が十分に太く成長しない
  • 細く短い毛が増える
  • 分け目が広がる
  • 頭頂部の地肌が目立つ

といった変化がみられます。

ミノキシジルは毛髪の成長を促し、細くなった髪を太く育てることを目指す治療です。

女性型脱毛症に対する治療の中でも、ミノキシジル外用は代表的な治療法のひとつです。


ミノキシジル外用とは?

ミノキシジル外用は、薄毛が気になる部分の頭皮に直接塗布する治療です。

女性型脱毛症に対して、最も基本となる治療のひとつです。

こんな方に検討します

  • 分け目が広がってきた
  • 頭頂部が透けて見える
  • 髪一本一本が細くなってきた
  • 全体のボリュームが減った
  • まずは塗り薬から治療を始めたい

といった方です。

毎日継続して使用することで、少しずつ毛髪の変化をみていきます。


どれくらいで効果が出る?

ミノキシジルを使用しても、数日や数週間で髪が急に増えるわけではありません。

髪にはヘアサイクルがあるため、効果を評価するには数か月単位の治療が必要です。

個人差はありますが、

治療開始~3か月

まだ見た目の変化が分かりにくい時期です。

「効いていないのでは?」と感じることもありますが、自己判断ですぐに治療を中止しないことが大切です。

3~6か月

徐々に、

  • 抜け毛が減った
  • 髪にハリ・コシが出てきた
  • 細かった毛がしっかりしてきた

と感じる方もいます。

6か月以降

治療開始前の写真などと比較しながら、分け目や頭頂部の状態、毛髪の太さなどを評価していきます。

薄毛治療では、短期間で判断せず、継続して経過を見ることがとても大切です。


「初期脱毛」って何?

ミノキシジルを使い始めた後に、

「治療前より抜け毛が増えた気がする」

と感じる方がいます。

これは一般に初期脱毛と呼ばれています。

ヘアサイクルが変化する過程で、休止期にあった毛が抜け、新しい毛に入れ替わる際に一時的に抜け毛が増えたように感じることがあります。

すべての方に起こるわけではありません。

また、

  • 抜け毛が非常に多い
  • 長期間続く
  • 円形に脱毛する
  • 頭皮に強い赤みやかゆみがある

などの場合には、別の原因が考えられることもあります。

気になる症状がある場合は、自己判断で治療を中止せず医師にご相談ください。


ミノキシジル外用の副作用は?

外用薬では、主に頭皮に症状が出ることがあります。

代表的なものとして、

  • かゆみ
  • 赤み
  • 乾燥
  • フケ
  • かぶれ

などがあります。

また、薬剤が額や顔につくことで、顔の産毛が濃くなったように感じることもあります。

塗布後は手を洗い、必要な部分以外に薬剤が広がらないように使用しましょう。

症状が強い場合には、使用を中止して医師に相談することが大切です。


ミノキシジル内服とは?

ミノキシジルには、外用だけでなく内服による治療が行われることもあります。

ただし、ここで大切なのは、

ミノキシジル内服は、国内では薄毛治療を目的として承認されている治療ではない

という点です。

そのため、すべての方におすすめできる治療ではありません。

当院でも、治療を検討する場合には、患者さまの体調や既往歴、服用している薬などを確認し、適応を慎重に判断します。


ミノキシジル内服の副作用は?

内服では、薬の作用が全身に及ぶため、外用薬とは異なる副作用に注意が必要です。

代表的なものとして、

  • 顔や身体の多毛
  • むくみ
  • 動悸
  • 血圧の変化
  • めまい
  • 頭痛

などがみられることがあります。

特に、心臓や血圧に関する病気がある方などでは注意が必要です。

「塗るより飲んだほうが効果が強そう」

という理由だけで選択するのではなく、メリットとリスクを理解したうえで治療を検討することが重要です。


外用と内服、どちらを選べばいい?

「飲み薬のほうが効きますか?」

というご質問もよくいただきます。

しかし、

効果の強さだけで治療を決めるわけではありません。

女性型脱毛症では、まず薄毛の原因や進行度を確認し、その方の体調やライフスタイルも含めて治療方法を考えます。

外用治療を基本にしながら、必要に応じてその他の治療を組み合わせることもあります。

大切なのは、

安全性と効果のバランスを考え、無理なく継続できる治療を選ぶこと

です。


妊娠・授乳中でも使用できる?

妊娠中や授乳中、妊娠を希望している場合には、薄毛治療薬の使用に注意が必要です。

ミノキシジルについても、妊娠・授乳中の使用は避ける必要があります。

現在妊娠している方だけでなく、

  • 妊娠を希望している
  • 妊活中
  • 授乳中

という方も、治療を始める前に必ず医師へお伝えください。


ミノキシジルをやめるとどうなる?

ミノキシジルによって髪の状態が改善しても、FAGAそのものが完全に治ったわけではありません。

治療を中止すると、時間の経過とともに再び薄毛が進行する可能性があります。

そのため、良い状態を維持するためには、継続的な治療が必要になることがあります。

ただし、ずっと同じ治療内容を続けるという意味ではありません。

状態が安定した後は、髪の状態や体調を確認しながら治療方法を調整していきます。


当院では一人ひとりに合わせて治療を考えます

女性の薄毛には、

  • FAGA
  • 加齢
  • ホルモンバランスの変化
  • 栄養不足
  • 貧血
  • 甲状腺疾患
  • ストレス
  • 産後のホルモン変化

など、さまざまな原因があります。

そのため、

「薄毛=とりあえずミノキシジル」

ではありません。

まずは薄毛の状態や原因を確認し、必要に応じてミノキシジル外用やその他の治療を組み合わせていきます。


まとめ

ミノキシジルは、女性型脱毛症の治療で用いられる代表的な成分です。

特にミノキシジル外用は、女性型脱毛症に対する基本的な治療のひとつです。

ただし、

  • 効果が出るまでには時間がかかる
  • 継続的な治療が必要になることがある
  • 外用でも副作用が起こることがある
  • 内服は国内では薄毛治療として未承認である

ことを理解して治療を始めることが大切です。

「最近、分け目が広くなった」

「髪が細くなってきた」

「ミノキシジルを使ってみたいけれど、自分に合うのか分からない」

という方は、まずはお気軽にご相談ください。

一人ひとりの状態に合わせて、無理なく続けられる治療をご提案します。


よくある質問(FAQ)

Q. ミノキシジルは女性にも効果がありますか?

女性型脱毛症に対するミノキシジル外用は、代表的な治療法のひとつです。

ただし、薄毛の原因によっては他の治療が必要になることもあるため、まずは原因を確認することが大切です。


Q. ミノキシジルは何か月使えばいいですか?

効果には個人差がありますが、数週間ではなく、数か月単位で経過を評価します。

途中で自己判断によって中止せず、治療前後の写真などを比較しながら経過をみていきます。


Q. 初期脱毛があったら中止したほうがいいですか?

使用開始後、一時的に抜け毛が増えたように感じることがあります。

ただし、抜け毛が非常に多い場合や長期間続く場合、その他の症状を伴う場合には医師へご相談ください。


Q. 顔の毛が濃くなることはありますか?

ミノキシジルの影響で、顔や身体の毛が濃くなることがあります。

特に内服では多毛がみられることがあるため、治療前に副作用について十分に確認することが大切です。


Q. 市販のミノキシジルでもいいですか?

市販されている女性用ミノキシジル製剤もあります。

ただし、抜け毛の原因がFAGAとは限らないため、「薄毛だからとりあえず使う」のではなく、気になる場合には一度診察を受けることをおすすめします。


次回予告

第6回「HARG療法とは?女性の薄毛に行う注入治療の効果・回数・痛みを医師が解説」

「HARG療法って何を注入するの?」「何回くらい必要?」「痛みはある?」など、薄毛治療の選択肢のひとつであるHARG療法について詳しくご紹介します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任