女性の薄毛治療シリーズ 第10回 女性の薄毛は予防できる?今日からできる頭皮ケア・生活習慣を医師が解説

「薄毛にならないために、今からできることはある?」

「シャンプーは毎日しても大丈夫?」

「頭皮マッサージをすれば髪は増える?」

女性の薄毛が気になり始めると、毎日のヘアケアや生活習慣を見直したくなる方も多いと思います。

もちろん、頭皮や髪を健康な状態に保つためには、日々のケアも大切です。

ただし、FAGA(女性型脱毛症)は、生活習慣だけが原因で起こるものではありません。

今回は、女性の薄毛が気になる方が今日からできることと、注意したいケアについて解説します。


女性の薄毛は予防できる?

結論からいうと、

すべての薄毛を生活習慣だけで予防できるわけではありません。

女性型脱毛症には、

  • 加齢
  • 遺伝的な体質
  • ホルモン環境の変化
  • 毛包の変化

など、さまざまな要因が関係しています。

そのため、

「正しいシャンプーを使えばFAGAにならない」

「食生活を整えれば薄毛が治る」

というものではありません。

一方で、

  • 栄養不足
  • 過度なダイエット
  • 強い牽引
  • 不適切なヘアケア

などによって、髪や頭皮に負担をかけることは避けたいところです。

髪が育ちやすい環境を整えることは、日常生活の中でもできます。


シャンプーは毎日しても大丈夫?

「抜け毛が増えそうだから、髪を洗わないほうがいいですか?」

というご質問をいただくことがあります。

基本的には、頭皮の皮脂や汚れを落とし、清潔な状態を保つことが大切です。

シャンプーの際に抜ける髪の多くは、すでにヘアサイクルの中で抜ける時期に入っていた髪です。

「洗ったから髪が抜けた」とは限りません。

ただし、

  • 爪を立てて強くこする
  • 必要以上に何度も洗う
  • 熱すぎるお湯を使う

といった洗い方は、頭皮への刺激になることがあります。

指の腹を使い、やさしく洗いましょう。


育毛シャンプーを使えば髪は増える?

シャンプーの基本的な役割は、頭皮や髪を清潔に保つことです。

「育毛」「スカルプケア」と書かれているシャンプーもありますが、シャンプーだけでFAGAそのものを治療することはできません。

頭皮の乾燥や皮脂、かゆみなど、その方の頭皮状態に合ったものを選ぶことは大切ですが、

シャンプー=発毛治療ではない

ということは知っておきましょう。


頭皮マッサージをすると髪は生える?

適度な頭皮マッサージは、リラックスや頭皮ケアの一環として取り入れても構いません。

ただし、

頭皮マッサージだけでFAGAが改善するというわけではありません。

また、

「血流を良くしよう」

と強く揉んだり、ブラシで頭皮を叩いたりする必要はありません。

強い刺激は頭皮を傷つけることもあります。

気持ちよい程度に、やさしく行いましょう。


髪を強く結ぶ習慣にも注意

毎日髪を強く引っ張るヘアスタイルを続けていると、毛根に負担がかかることがあります。

これを牽引性脱毛症と呼びます。

特に、

  • いつも同じ位置で強くポニーテールにする
  • きついお団子ヘアを続ける
  • エクステなどで髪を長期間引っ張る

といった習慣がある場合には注意が必要です。

ときどき髪型を変えたり、結ぶ強さをゆるめたりして、毛根への負担を減らしましょう。


ドライヤーは髪に悪い?

「ドライヤーを使うと髪が傷むから自然乾燥しています」

という方もいます。

しかし、頭皮を長時間濡れたままにするより、洗髪後は適切に乾かすことをおすすめします。

ポイントは、

  • ドライヤーを頭皮に近づけすぎない
  • 同じ場所に熱風を当て続けない
  • 高温で長時間乾かさない

ことです。

髪から少し距離をあけ、全体を乾かしていきましょう。


無理なダイエットは避けましょう

女性の抜け毛で特に注意したいのが、急激な体重減少や極端な食事制限です。

短期間で食事量を大きく減らすと、

  • たんぱく質
  • 鉄
  • 亜鉛
  • その他の栄養素

が不足し、数か月後に抜け毛が増えることがあります。

これは休止期脱毛の原因のひとつになります。

髪のためにも、

急激に体重を落とすダイエットではなく、無理なく続けられる食生活

を心がけましょう。


髪のために特別な食べ物は必要?

「わかめを食べれば髪が増える」

「この食材を食べると発毛する」

といった話を耳にすることがあります。

しかし、特定の食品だけで薄毛が改善するわけではありません。

大切なのは、

  • 肉
  • 魚
  • 卵
  • 大豆製品
  • 野菜
  • 炭水化物
  • 良質な脂質

などをバランスよく摂ることです。

特に女性では鉄不足がみられることもあるため、偏った食事を避けることが大切です。


睡眠不足やストレスは薄毛の原因になる?

強いストレスや大きな体調変化をきっかけに、抜け毛が増えることがあります。

睡眠不足も身体全体のコンディションに影響するため、

  • 十分な睡眠
  • 適度な運動
  • 休息

など、無理のない範囲で生活習慣を整えることも大切です。

ただし、

「ストレスがあるからFAGAになった」

と単純に考えることはできません。

薄毛が続いている場合には、ストレスだけのせいと決めつけず、原因を確認しましょう。


サプリメントは飲んだほうがいい?

「髪のために何かサプリを飲みたい」という方も多いと思います。

鉄や亜鉛などが不足している場合には、必要に応じて補うことがあります。

しかし、

不足していない栄養素をたくさん摂れば髪が増えるわけではありません。

複数のサプリを自己判断で大量に飲むこともおすすめできません。

薄毛に加えて、

  • 疲れやすい
  • 月経量が多い
  • 急激に体重が減った
  • 食事量が少ない

などがある場合には、必要に応じて血液検査を検討します。


やってはいけない薄毛対策は?

薄毛が気になると、さまざまな情報を試したくなります。

しかし、次のようなケアには注意が必要です。

頭皮を強く叩く・揉む

刺激を強くすれば髪が生えるわけではありません。

頭皮を傷つけないようにしましょう。

抜け毛が怖くて洗髪しない

頭皮環境を清潔に保つためにも、適切な洗髪は必要です。

サプリメントを大量に摂る

栄養素によっては過剰摂取による副作用があります。

市販品だけで長期間様子を見る

FAGAなど進行性の薄毛の場合には、時間の経過とともに髪が細くなることがあります。

セルフケアだけで改善しない場合には、早めにご相談ください。


「自宅でできること」と「医療でできること」は別です

毎日の頭皮ケアや生活習慣は大切です。

しかし、

適切なシャンプー・食事・睡眠だけでFAGAを治療することはできません。

FAGAと考えられる場合には、

  • ミノキシジル外用
  • その他の薬物治療
  • HARG療法などの注入治療

といった医療的な治療を検討することがあります。

つまり、

セルフケアは「髪や頭皮を良い状態に保つため」
医療は「薄毛そのものにアプローチするため」

と考えると分かりやすいでしょう。


こんな変化があったら早めに相談を

次のような変化が続いている場合には、一度診察をおすすめします。

  • 分け目が以前より広くなった
  • 頭頂部の地肌が目立ってきた
  • 髪一本一本が細くなった
  • 髪を結んだときの束が細くなった
  • 急に抜け毛が増えた
  • 薄毛が数か月以上続いている

特に、急激な抜け毛や円形の脱毛がある場合には、FAGA以外の原因も考える必要があります。


当院では一人ひとりの原因に合わせて治療します

広島プルミエクリニックでは、

  • 薄毛の始まり方
  • 分け目や頭頂部の状態
  • 抜け毛の量
  • 年齢
  • 月経や更年期の状態
  • 食生活
  • 既往歴
  • 服用中のお薬

などを確認しながら、薄毛の原因を考えます。

そのうえで、

  • ミノキシジル外用
  • ミノキシジル内服(適応を慎重に判断)
  • 毛髪に必要な栄養を補うサプリメント
  • HARG療法
  • ホームケア・生活習慣のアドバイス

などから、一人ひとりに合わせた治療をご提案します。


まとめ

女性の薄毛が気になる場合、日常生活では、

  • 頭皮をやさしく洗う
  • 強く髪を引っ張らない
  • 無理なダイエットをしない
  • バランスのよい食事をとる
  • 睡眠や休息を意識する

といったことが大切です。

ただし、

FAGAはセルフケアだけで治療できるものではありません。

「正しいケアをしているのに分け目が広がってきた」

「髪がどんどん細くなっている」

という場合には、年齢のせいと諦めず、一度原因を確認してみましょう。

女性の薄毛は、早めに原因を見極め、適切な治療につなげることが大切です。

髪のお悩みも、お気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 毎日シャンプーすると抜け毛が増えますか?

通常の洗髪によってFAGAが進行するわけではありません。

強くこすらず、頭皮をやさしく洗うことが大切です。


Q. 育毛シャンプーだけでFAGAは治りますか?

シャンプーは頭皮を清潔に保つためのものです。

FAGAそのものに対しては、必要に応じてミノキシジルなどの治療を検討します。


Q. 頭皮マッサージは毎日したほうがいいですか?

リラックスや頭皮ケアとしてやさしく行うのは構いませんが、頭皮マッサージだけで薄毛が改善するとは限りません。

強く揉んだり叩いたりする必要はありません。


Q. 髪を結ぶと薄毛になりますか?

緩く結ぶ程度で必ず薄毛になるわけではありません。

ただし、毎日強く引っ張る髪型を続けると、牽引性脱毛症につながることがあります。


Q. セルフケアをどれくらい続けてから受診すればいいですか?

分け目の広がりや毛髪の細さなどが徐々に進行している場合には、長期間セルフケアだけで様子を見る必要はありません。

「以前と違う」と感じた時点で、一度ご相談いただいて構いません。


女性の薄毛でお悩みの方へ

女性の薄毛には、FAGAだけでなく、産後脱毛、鉄不足、甲状腺疾患、栄養状態、加齢など、さまざまな原因があります。

大切なのは、

「薄毛だからこの治療」と決めつけず、自分の原因に合った治療を選ぶことです。

広島プルミエクリニックでは、一人ひとりのお悩みや状態に合わせて治療をご提案しています。

「まだ治療するほどではないかな?」

という段階でも、お気軽にご相談ください。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任

 

女性の薄毛治療シリーズ 第9回 女性の薄毛と更年期|40代・50代で髪が細くなる原因と対策を医師が解説

「40代になってから髪が細くなった気がする」

「昔より分け目が目立つようになった」

「更年期と薄毛は関係ある?」

40代・50代になると、髪のボリュームの変化を感じる女性が増えてきます。

更年期は女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期で、髪にもさまざまな変化が現れることがあります。

今回は、更年期と女性の薄毛の関係、そしてどのような対策や治療があるのかについて解説します。


更年期とは?

更年期とは、一般的に閉経の前後それぞれ約5年間、合わせて約10年間の時期を指します。

日本人女性では、一般的に50歳前後で閉経を迎える方が多いため、40代後半から50代前半頃に更年期を迎えることが多くなります。

この時期には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく変動しながら低下していきます。

その影響によって、

  • ほてり
  • 発汗
  • 動悸
  • 頭痛
  • 疲れやすさ
  • 気分の変化
  • 睡眠の変化

など、さまざまな症状がみられることがあります。

そして、髪が細くなる・薄くなるといった変化を感じる方もいます。


更年期になると髪はどう変わる?

「昔より髪が少なくなった」というより、

一本一本の髪が細くなった

と感じる方が少なくありません。

例えば、

  • 分け目が広がってきた
  • 頭頂部の地肌が透ける
  • 髪のハリやコシがなくなった
  • ポニーテールにしたときの束が細くなった
  • 髪がペタンとする
  • スタイリングしてもボリュームが出にくい

などの変化がみられます。

女性型脱毛症では、男性のAGAのように生え際が大きく後退するよりも、分け目を中心に頭頂部全体が徐々に薄くなることが多いのが特徴です。


更年期の薄毛=女性ホルモン不足?

「女性ホルモンが減るから髪が抜ける」と説明されることもありますが、実際にはもう少し複雑です。

女性型脱毛症には、

  • 加齢
  • 遺伝的な体質
  • ホルモン環境の変化
  • 毛包の変化

など、複数の要因が関係すると考えられています。

女性型脱毛症は更年期以降にみられることが多いため、ホルモンの変化も関与していると考えられていますが、女性ホルモンが低いだけでFAGAになるわけではありません。

そのため、

「エストロゲンを増やせば薄毛が治る」

という単純なものではありません。


年齢による髪の変化もあります

薄毛には、FAGAだけでなく加齢そのものによる毛髪の変化も関係します。

年齢とともに、

  • 髪の成長速度が遅くなる
  • 毛髪が細くなる
  • 髪の密度が低下する
  • 白髪が増える

などの変化が起こることがあります。

そのため、40代・50代の薄毛では、

「FAGA」と「加齢による変化」が重なっている

場合もあります。


更年期になって急に抜け毛が増えたら?

FAGAは一般的には、数か月~数年かけて徐々に進行します。

一方、

「急にシャンプー時の抜け毛が増えた」

「数か月で髪全体が薄くなった」

という場合には、別の原因も考える必要があります。

例えば、

  • 鉄不足
  • 甲状腺疾患
  • 急激なダイエット
  • 強いストレス
  • 体調不良
  • 薬剤の影響

などによる休止期脱毛が隠れていることがあります。

40代・50代だからといって、すべてを「更年期のせい」と考えないことが大切です。


更年期では鉄不足にも注意

40代では、まだ月経が続いている方も多く、月経量が多い場合には鉄不足が隠れていることがあります。

特に、

  • 月経量が多い
  • 疲れやすい
  • めまいがある
  • 息切れがする
  • 食事量が少ない

などの場合には、必要に応じて貧血やフェリチンなどを確認することがあります。

薄毛だけでなく、身体全体の状態をみることも大切です。


更年期の薄毛は自然に治る?

更年期に一時的に抜け毛が増えている場合には、原因によって改善することもあります。

一方、FAGAの場合は慢性的に進行することがあるため、自然に元通りになるとは限りません。

特に、

  • 分け目が少しずつ広がっている
  • 頭頂部が年々薄くなっている
  • 髪一本一本が細くなっている

という場合は、FAGAの可能性を考えます。

女性型脱毛症では、早期から治療を始めることで、進行を抑えたり、毛髪の状態を改善したりできる可能性があります。


更年期の薄毛にはどんな治療をする?

薄毛の原因がFAGAと考えられる場合には、状態に応じて治療を検討します。

代表的なものとして、

  • ミノキシジル外用
  • ミノキシジル内服(適応を慎重に判断)
  • HARG療法
  • 毛髪に必要な栄養を補うサプリメント
  • ホームケア

などがあります。

女性型脱毛症では、ミノキシジル外用が基本的な治療のひとつです。

薄毛の程度や体調、ライフスタイルなどを確認しながら、その方に合った治療をご提案します。


女性ホルモン補充療法(HRT)で薄毛は治る?

更年期症状に対して、婦人科で女性ホルモン補充療法(HRT)を行うことがあります。

「ホルモンを補えば髪も増えるのでは?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、薄毛の治療だけを目的としてHRTを行うものではありません。

HRTが必要かどうかは、更年期症状や全身状態などを婦人科で総合的に判断します。

薄毛については、薄毛の原因を確認したうえで、適切な毛髪治療を検討することが大切です。


毎日のヘアケアで気をつけることは?

薄毛が気になると、頭皮への刺激を避けるために、

「髪を洗わないほうがいいのでは?」

と思う方もいますが、通常は適切に洗髪して頭皮を清潔に保つことが大切です。

また、

  • 強く髪を引っ張るヘアスタイルを避ける
  • 爪を立てて頭皮をこすらない
  • 過度なダイエットを避ける
  • たんぱく質などを含むバランスのよい食事をとる

といったことも意識しましょう。

ただし、シャンプーや食生活だけでFAGAそのものを治すことは難しいため、進行している場合には医療的な治療も検討します。


「髪型で隠せるから」と放置しないことも大切

女性型脱毛症はゆっくり進行するため、

「まだ髪型で隠せるから」

「年齢だから仕方ない」

と、そのままにしてしまうことがあります。

しかし、女性型脱毛症では、最初はわずかな分け目の広がりだけでも、徐々に薄毛が目立ってくる場合があります。

薄毛がかなり進行してからよりも、

「以前と少し違う」と感じた時点で相談すること

をおすすめします。


当院では一人ひとりに合わせて診察します

広島プルミエクリニックでは、

  • 薄毛が始まった時期
  • 分け目や頭頂部の状態
  • 抜け毛の量
  • 月経の状態
  • 更年期症状の有無
  • 食生活
  • 既往歴
  • 服用中のお薬

などを確認しながら、薄毛の原因を考えます。

必要に応じて、血液検査や婦人科・内科など他の診療科への受診をおすすめする場合もあります。

そのうえで、FAGAが考えられる場合には、一人ひとりに合った治療をご提案します。


まとめ

40代・50代になると、

  • 分け目が広がる
  • 髪が細くなる
  • ボリュームが減る

など、髪の変化を感じる女性が増えてきます。

更年期のホルモン環境の変化や加齢は、女性の薄毛に関係する要因のひとつです。

しかし、

「更年期だから仕方ない」と決めつける必要はありません。

FAGAや鉄不足、甲状腺疾患など、治療できる原因が隠れていることもあります。

「最近、分け目が広くなった気がする」

「40代になって髪が急に細くなった」

「更年期だから仕方ないのかな?」

と思われている方も、一度お気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 更年期になると全員髪が薄くなりますか?

いいえ。

更年期に髪の変化を感じる方はいますが、すべての女性が薄毛になるわけではありません。

遺伝的な体質や加齢、栄養状態など、さまざまな要因が関係します。


Q. 閉経すると急にFAGAになりますか?

必ずしも急に発症するわけではありません。

FAGAは徐々に進行することが多く、40代・50代になって分け目の広がりなどに気づくケースがあります。


Q. 女性ホルモンを飲めば髪は増えますか?

女性ホルモン補充療法は、薄毛だけを目的として行う治療ではありません。

更年期症状などに対してHRTが必要かどうかは、婦人科で判断します。

薄毛には、原因に合った治療を選ぶことが大切です。


Q. 更年期の薄毛にはミノキシジルが使えますか?

FAGAと診断された場合、ミノキシジル外用は代表的な治療選択肢のひとつです。

持病や体調などを確認したうえで治療を検討します。


Q. 「年齢だから仕方ない」と様子を見てもいいですか?

加齢による変化だけの場合もありますが、FAGAは進行性のことがあります。

分け目が広がる、髪が細くなるなどの変化が続いている場合には、一度診察を受けることをおすすめします。


次回予告

第10回「女性の薄毛は予防できる?今日からできる頭皮ケア・生活習慣とやってはいけないことを医師が解説」

シャンプーの選び方、洗髪回数、頭皮マッサージ、食事、睡眠、髪を結ぶ習慣など、女性の薄毛が気になる方が日常生活で気をつけたいポイントについて詳しくご紹介します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任

 

女性の薄毛治療シリーズ 第8回 女性の薄毛で血液検査は必要?貧血・フェリチン・甲状腺などを医師が解説

「薄毛なのに、どうして血液検査をするの?」

「健康診断で貧血はないと言われたけれど、鉄不足のこともある?」

「甲状腺の病気でも髪が抜けるの?」

女性の薄毛には、FAGA(女性型脱毛症)だけでなく、貧血や鉄不足、甲状腺疾患、栄養状態などが関係していることがあります。

そのため、抜け毛の状態や経過によっては、血液検査を行うことがあります。

今回は、女性の薄毛で確認することがある血液検査について解説します。


薄毛なのに、なぜ血液検査をするの?

女性の薄毛は、見た目だけでは原因を判断できないことがあります。

例えば、

  • FAGA
  • 鉄不足
  • 甲状腺機能の異常
  • 急激なダイエット
  • 栄養不足
  • 産後のホルモン変化
  • 薬剤の影響
  • 強いストレスや体調不良

など、さまざまな原因によって抜け毛が増えることがあります。

そのため、

「薄毛=すべてFAGA」ではありません。

特に、急に抜け毛が増えた場合や、身体の不調を伴っている場合には、背景に病気や栄養不足がないか確認することが大切です。


すべての人に血液検査が必要?

必ずしも必要ではありません。

分け目や頭頂部が徐々に薄くなっているなど、典型的なFAGAの経過がみられる場合には、診察を中心に判断することもあります。

一方で、

  • 急に抜け毛が増えた
  • 髪全体が急激に薄くなった
  • 疲れやすい
  • めまいや息切れがある
  • 月経量が多い
  • 急激に体重が減った
  • 極端な食事制限をしている
  • 冷えやむくみ、体重変化などがある

といった場合には、必要に応じて血液検査を検討します。

大切なのは、症状に合わせて必要な検査を選ぶことです。


貧血の検査

女性の薄毛で確認することがある代表的な項目のひとつが、貧血です。

血液検査では、

  • ヘモグロビン
  • 赤血球数

などを確認します。

鉄不足が進むと鉄欠乏性貧血となり、

  • 疲れやすい
  • 息切れ
  • 動悸
  • めまい
  • 顔色が悪い

などの症状が現れることがあります。

また、抜け毛や髪の変化につながることもあります。


「貧血ではない=鉄不足ではない」とは限らない?

ここは、女性の患者さまからよくご質問をいただくところです。

健康診断で、

「貧血はありません」

と言われていても、体内に蓄えられている鉄が少なくなっている場合があります。

そこで参考になるのが、フェリチンという項目です。


フェリチンとは?

フェリチンは、体内に蓄えられている鉄、いわゆる**「貯蔵鉄」**の目安となる検査です。

ヘモグロビンが正常でも、フェリチンが低下していることがあります。

特に、

  • 月経量が多い
  • 肉や魚をあまり食べない
  • ダイエット中
  • 妊娠・出産を経験した
  • 食事量が少ない

といった方では、鉄不足がないか確認することがあります。

ただし、

「フェリチンが○○以上なら髪が生える」

といった明確な基準があるわけではありません。

検査値だけで判断せず、症状やその他の検査結果と合わせて評価します。


甲状腺と抜け毛は関係する?

甲状腺は、身体の代謝を調整するホルモンを作る臓器です。

甲状腺機能に異常があると、髪の成長にも影響し、頭皮全体の抜け毛が増えることがあります。

必要に応じて、

  • TSH
  • FT4

などの甲状腺機能を確認することがあります。


こんな症状がある場合は甲状腺も確認することがあります

例えば、

  • 疲れやすい
  • 寒がりになった
  • むくみやすい
  • 体重が増えた、または減った
  • 動悸がある
  • 手が震える
  • 汗をかきやすくなった

など、薄毛以外の症状がある場合には、甲状腺疾患が隠れていないか確認することがあります。

もちろん、これらの症状があるからといって必ず甲状腺疾患というわけではありません。

薄毛だけでなく、身体全体の変化を確認することが大切です。


亜鉛などの栄養状態を調べることも

症状や食生活によっては、亜鉛などの栄養状態を確認する場合もあります。

例えば、

  • 偏った食生活
  • 極端な食事制限
  • 食欲低下が続いている
  • 消化器の病気がある

といった場合です。

ただし、前回もお話ししたように、

不足していない栄養素を大量に補えば髪が増えるわけではありません。

必要な場合に、必要なものを補うことが大切です。


女性ホルモンは測ったほうがいい?

「女性の薄毛だから、女性ホルモンを測ったほうがいいですか?」

というご質問もあります。

FAGAでは、必ずしも女性ホルモンの血液検査が必要というわけではありません。

ただし、

  • 月経不順
  • 無月経
  • 多毛
  • にきびが急に増えた
  • その他ホルモン異常を疑う症状がある

などの場合には、必要に応じて婦人科や内科などで詳しい検査をおすすめすることがあります。


血液検査だけでFAGAと診断できる?

血液検査だけでFAGAを診断することはできません。

FAGAでは、

  • 薄毛の始まり方
  • 分け目の広がり
  • 頭頂部の毛髪の状態
  • 髪の太さ
  • 抜け毛の経過
  • ご家族の薄毛の有無

などを確認しながら診断していきます。

血液検査は、

「FAGA以外の原因が隠れていないか」

を確認するための補助的な検査と考えると分かりやすいでしょう。


「異常なし」でも薄毛になることはある?

もちろんあります。

血液検査で、

  • 貧血なし
  • 鉄不足なし
  • 甲状腺機能も正常

だったとしても、FAGAによって薄毛が進行していることがあります。

「検査が正常だったから、薄毛の原因がない」

ということではありません。

逆に、FAGAと鉄不足などが同時に存在することもあります。

女性の薄毛では、一つの原因だけに決めつけないことが大切です。


血液検査で異常が見つかったら?

例えば鉄不足が見つかった場合には、原因を確認しながら必要に応じて治療を行います。

月経量が多い場合には婦人科疾患が関係していることもあります。

また、甲状腺機能に異常がみられた場合には、専門の医療機関での検査や治療が必要になることがあります。

このような場合は、

薄毛だけを治療するのではなく、原因となっている身体の状態を改善することが重要です。


当院では薄毛の経過や体調も確認します

広島プルミエクリニックでは、薄毛の状態だけでなく、

  • いつから薄毛が気になったか
  • 徐々に進行したのか、急に抜け始めたのか
  • 月経の状態
  • 妊娠・出産歴
  • ダイエット歴
  • 食生活
  • 既往歴
  • 服用している薬
  • その他の体調変化

なども確認します。

必要に応じて血液検査や、他の診療科への受診をおすすめする場合があります。

そのうえでFAGAが考えられる場合には、

  • ミノキシジル外用
  • ミノキシジル内服(適応を慎重に判断)
  • サプリメント
  • HARG療法
  • ホームケア

などから、一人ひとりに合わせた治療をご提案します。


まとめ

女性の薄毛では、FAGAだけでなく、

  • 貧血・鉄不足
  • 甲状腺疾患
  • 栄養不足

などが関係していることがあります。

そのため、症状や経過によっては血液検査を行い、薄毛の背景に別の原因が隠れていないか確認することが大切です。

ただし、すべての方に同じ検査が必要なわけではありません。

大切なのは、

「髪だけを見る」のではなく、身体全体の状態も含めて原因を考えること。

「最近急に抜け毛が増えた」

「薄毛だけでなく、疲れやすさなども気になる」

「自分の薄毛の原因を一度調べたい」

という方は、お気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 薄毛なら必ず血液検査をしますか?

いいえ。

薄毛の状態や経過、その他の症状を確認し、必要な場合に検査を検討します。


Q. 健康診断で貧血がなければ鉄不足ではありませんか?

ヘモグロビンが正常でも、貯蔵鉄の指標であるフェリチンが低下している場合があります。

症状などに応じて確認することがあります。


Q. フェリチンはいくつあれば薄毛に問題ありませんか?

「この数値以上なら薄毛にならない」「この数値まで上げれば発毛する」という明確な基準が決まっているわけではありません。

他の検査値や症状と合わせて判断します。


Q. 甲状腺の病気で髪が抜けることはありますか?

あります。

甲状腺機能の異常によって、頭皮全体の抜け毛が増えることがあります。

薄毛以外の症状も確認し、必要に応じて検査を行います。


Q. 血液検査がすべて正常ならFAGAですか?

必ずしもそうとは限りません。

血液検査はFAGAそのものを診断する検査ではなく、他の原因が隠れていないか調べるために行うことがあります。

診察や薄毛の経過などを含めて総合的に判断します。


次回予告

第9回「女性の薄毛と更年期|40代・50代で髪が細くなる原因と対策を医師が解説」

「40代になって急に髪のボリュームが減った」「更年期と薄毛は関係する?」など、女性ホルモンの変化と髪の関係について詳しくご紹介します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任