美容整形の麻酔後に起こる症状とは?吐き気・眠気・ふらつきの原因と対処法
美容外科の手術では、手術内容に応じて局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔などを使用します。
麻酔については、
「麻酔が切れたあと、気分が悪くなることはありますか?」
「手術後、どのくらいで普通に動けるようになりますか?」
「麻酔後に吐き気が出るのが心配です」
といったご質問をいただくことがあります。
麻酔薬の影響は、手術が終わったあとも一定時間残ることがあり、さまざまな症状が現れる場合があります。
今回は、静脈麻酔や全身麻酔のあとに起こりやすい症状と、その対処法について詳しく解説します。
1.麻酔後の吐き気・嘔吐
静脈麻酔や全身麻酔のあとに起こる症状のひとつが、吐き気や嘔吐です。
これを**術後悪心・嘔吐(PONV)**といいます。
麻酔薬や術後の鎮痛薬などが影響して起こることがあります。
特に、
・過去に麻酔後の吐き気を経験したことがある方
・乗り物酔いをしやすい方
・女性の方
・非喫煙者の方
・術後にオピオイド系鎮痛薬を使用する方
などでは、吐き気が起こりやすいことが知られています。
吐き気が出た場合は?
吐き気がある場合は、無理に食事を取らず、医師やスタッフに相談してください。
必要に応じて吐き気止めを使用することがあります。
また、過去に麻酔後の吐き気が強かった方は、事前にお伝えいただくことで、予防的な対策を検討できる場合があります。
2.麻酔後の眠気・だるさ
静脈麻酔や全身麻酔のあとには、眠気やだるさが残ることがあります。
麻酔から目が覚めて会話ができるようになっても、薬剤の影響が完全になくなっているとは限りません。
特に、
・頭がぼんやりする
・眠気が続く
・集中力が低下する
・反応が鈍くなる
といった症状が現れる場合があります。
多くの場合、時間の経過とともに改善しますが、回復の速さには個人差があります。
麻酔後は十分な休息を
静脈麻酔や全身麻酔を受けた当日は、無理をせず安静に過ごすことが大切です。
麻酔から覚めていても、判断力や反射速度が低下している可能性があります。
そのため、原則として当日の自動車・バイク・自転車の運転は避けてください。
また、重要な契約や判断、飲酒なども控える必要があります。
3.麻酔後のふらつき・めまい
麻酔後には、立ち上がったときにふらつきやめまいを感じることがあります。
原因としては、
・麻酔薬の影響
・血圧の低下
・脱水
・長時間横になっていたこと
・出血などによる循環状態の変化
などが考えられます。
特に、手術直後に急に立ち上がると、転倒する危険があります。
ふらつきを防ぐためには?
手術後は、まずベッド上で体を起こし、気分が悪くならないことを確認してから、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。
歩行時にふらつきがある場合は、無理をせずスタッフにお伝えください。
強いめまいや失神、動悸などがある場合には、単なる麻酔の影響とは限らないため、医師による評価が必要です。
4.麻酔後の寒気・震え
全身麻酔や静脈麻酔のあとに、
「体が寒い」
「ガタガタと震える」
といった症状が出ることがあります。
これは、麻酔によって体温調節機能が影響を受けることなどが原因で起こります。
手術室の室温や手術中の体温低下も関係します。
このような術後の震えは、一般的にシバリングと呼ばれます。
寒気や震えがある場合は?
体を温めることで改善する場合があります。
必要に応じて保温や薬剤による対応を行うこともあります。
ただし、強い震えが続く場合や発熱を伴う場合には、ほかの原因がないか確認する必要があります。
5.全身麻酔後ののどの痛み・声のかすれ
全身麻酔では、手術中の呼吸を管理するために、気管チューブや声門上器具などを使用することがあります。
その影響で、手術後に、
・のどの痛み
・のどの違和感
・声のかすれ
・飲み込むときの違和感
などが起こることがあります。
多くの場合は一時的なもので、数日程度で改善していきます。
ただし、症状が強い場合や長引く場合には、医師への相談が必要です。
また、息苦しさや強い呼吸音の異常がある場合には、速やかな診察が必要になります。
6.麻酔後の頭痛
麻酔後に頭痛を感じる方もいらっしゃいます。
原因としては、
・脱水
・絶食による影響
・睡眠不足
・普段摂取しているカフェインの中断
・薬剤の影響
などが考えられます。
ただし、頭痛の原因はさまざまであり、必ずしも麻酔薬が直接の原因とは限りません。
軽度の頭痛は休息や水分補給などで改善することがありますが、急激に起こった強い頭痛や、意識の変化、手足のしびれなどを伴う場合は、緊急の評価が必要です。
7.麻酔後の症状はどのくらい続く?
麻酔後の症状が続く時間には個人差があります。
使用した麻酔薬の種類や量、手術時間、年齢、体調などによって回復速度は異なります。
眠気やふらつきなどは数時間で軽減することもありますが、翌日まで影響が残る場合もあります。
また、吐き気などが手術翌日以降に続くこともあります。
「手術が終わったから、すぐに普段どおり生活できる」というわけではありません。
手術当日は十分に休息を取ることが大切です。
8.こんな症状がある場合は注意
麻酔後には一時的な症状が現れることがありますが、すべてを「麻酔の影響だから大丈夫」と判断してはいけません。
特に、
・息苦しさ、呼吸困難
・胸の痛み
・意識がはっきりしない状態が続く
・繰り返す激しい嘔吐
・水分が取れないほどの吐き気
・強い頭痛や手足の麻痺
・失神や強いふらつき
などがある場合には注意が必要です。
症状によっては、出血や呼吸器・循環器系の合併症などが隠れている可能性もあります。
呼吸困難、胸痛、意識障害などがある場合は、速やかに救急医療機関を受診する必要があります。
また、症状が強い場合や改善しない場合は、手術を受けた医療機関へ連絡してください。
9.麻酔後に気をつけたいこと
麻酔後は、以下の点に注意しましょう。
・手術当日は無理をせず、十分に休息を取る
・自動車、バイク、自転車の運転を避ける
・飲酒を控える
・入浴や運動は医師の指示に従う
・食事や水分摂取は、意識や飲み込みの状態を確認して再開する
・処方された薬は指示どおり使用する
また、静脈麻酔や全身麻酔のあとは、ご自身では普段どおりのつもりでも、判断力が十分に回復していないことがあります。
手術内容や麻酔方法によっては、ご家族などの付き添いをお願いする場合があります。
まとめ|麻酔後の症状を知っておくことが大切
美容外科で静脈麻酔や全身麻酔を受けたあとには、
・吐き気、嘔吐
・眠気、だるさ
・ふらつき、めまい
・寒気、震え
・のどの痛み
・頭痛
などが起こることがあります。
多くは一時的な症状ですが、なかには医療機関での対応が必要な場合もあります。
麻酔後の症状について事前に知っておくことは、安全に手術を受けるためにも大切です。
過去に麻酔で気分が悪くなった経験がある方や、麻酔に不安がある方は、カウンセリングの際に医師へご相談ください。
次回は、
「美容整形の麻酔は危険?安全のために確認していること」
について詳しく解説します。
記事監修
広島プルミエクリニック 副院長 延美緒
形成外科専門医
所属学会・専門医・認定医
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
- 日本美容皮膚科学会 会員
- ジュビダームビスタ 施注認定医
- ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
| 2011年 | 岡山大学医学部 医学科卒業 様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く |
|---|---|
| 2011年 | 国立病院機構 岩国医療センターにて研修 医学博士取得 |
| 2013年 | 同 岩国医療センター 医員 研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる |
| 2014年 | 岡山大学附属病院 形成外科 再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う |
| 2016年 | 岩国医療センター 形成外科 眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む |
| 2018年 | 日本形成外科学会 専門医 取得 |
| 2019年 | 日本美容皮膚科学会 会員 |
| 2019年 | 県内美容皮膚科 勤務 美容皮膚科の診療に積極的に取り組む |
| 2020年 | 広島プルミエクリニック 入職 形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ |
| 2024年 | 広島プルミエクリニック 副院長就任 |
