第6回 美容整形の麻酔後に起こる症状とは?吐き気・眠気・ふらつきの原因と対処法

美容整形の麻酔後に起こる症状とは?吐き気・眠気・ふらつきの原因と対処法

美容外科の手術では、手術内容に応じて局所麻酔、静脈麻酔、全身麻酔などを使用します。

麻酔については、

「麻酔が切れたあと、気分が悪くなることはありますか?」

「手術後、どのくらいで普通に動けるようになりますか?」

「麻酔後に吐き気が出るのが心配です」

といったご質問をいただくことがあります。

麻酔薬の影響は、手術が終わったあとも一定時間残ることがあり、さまざまな症状が現れる場合があります。

今回は、静脈麻酔や全身麻酔のあとに起こりやすい症状と、その対処法について詳しく解説します。

1.麻酔後の吐き気・嘔吐

静脈麻酔や全身麻酔のあとに起こる症状のひとつが、吐き気や嘔吐です。

これを**術後悪心・嘔吐(PONV)**といいます。

麻酔薬や術後の鎮痛薬などが影響して起こることがあります。

特に、

・過去に麻酔後の吐き気を経験したことがある方
・乗り物酔いをしやすい方
・女性の方
・非喫煙者の方
・術後にオピオイド系鎮痛薬を使用する方

などでは、吐き気が起こりやすいことが知られています。

吐き気が出た場合は?

吐き気がある場合は、無理に食事を取らず、医師やスタッフに相談してください。

必要に応じて吐き気止めを使用することがあります。

また、過去に麻酔後の吐き気が強かった方は、事前にお伝えいただくことで、予防的な対策を検討できる場合があります。

2.麻酔後の眠気・だるさ

静脈麻酔や全身麻酔のあとには、眠気やだるさが残ることがあります。

麻酔から目が覚めて会話ができるようになっても、薬剤の影響が完全になくなっているとは限りません。

特に、

・頭がぼんやりする
・眠気が続く
・集中力が低下する
・反応が鈍くなる

といった症状が現れる場合があります。

多くの場合、時間の経過とともに改善しますが、回復の速さには個人差があります。

麻酔後は十分な休息を

静脈麻酔や全身麻酔を受けた当日は、無理をせず安静に過ごすことが大切です。

麻酔から覚めていても、判断力や反射速度が低下している可能性があります。

そのため、原則として当日の自動車・バイク・自転車の運転は避けてください。

また、重要な契約や判断、飲酒なども控える必要があります。

3.麻酔後のふらつき・めまい

麻酔後には、立ち上がったときにふらつきやめまいを感じることがあります。

原因としては、

・麻酔薬の影響
・血圧の低下
・脱水
・長時間横になっていたこと
・出血などによる循環状態の変化

などが考えられます。

特に、手術直後に急に立ち上がると、転倒する危険があります。

ふらつきを防ぐためには?

手術後は、まずベッド上で体を起こし、気分が悪くならないことを確認してから、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。

歩行時にふらつきがある場合は、無理をせずスタッフにお伝えください。

強いめまいや失神、動悸などがある場合には、単なる麻酔の影響とは限らないため、医師による評価が必要です。

4.麻酔後の寒気・震え

全身麻酔や静脈麻酔のあとに、

「体が寒い」

「ガタガタと震える」

といった症状が出ることがあります。

これは、麻酔によって体温調節機能が影響を受けることなどが原因で起こります。

手術室の室温や手術中の体温低下も関係します。

このような術後の震えは、一般的にシバリングと呼ばれます。

寒気や震えがある場合は?

体を温めることで改善する場合があります。

必要に応じて保温や薬剤による対応を行うこともあります。

ただし、強い震えが続く場合や発熱を伴う場合には、ほかの原因がないか確認する必要があります。

5.全身麻酔後ののどの痛み・声のかすれ

全身麻酔では、手術中の呼吸を管理するために、気管チューブや声門上器具などを使用することがあります。

その影響で、手術後に、

・のどの痛み
・のどの違和感
・声のかすれ
・飲み込むときの違和感

などが起こることがあります。

多くの場合は一時的なもので、数日程度で改善していきます。

ただし、症状が強い場合や長引く場合には、医師への相談が必要です。

また、息苦しさや強い呼吸音の異常がある場合には、速やかな診察が必要になります。

6.麻酔後の頭痛

麻酔後に頭痛を感じる方もいらっしゃいます。

原因としては、

・脱水
・絶食による影響
・睡眠不足
・普段摂取しているカフェインの中断
・薬剤の影響

などが考えられます。

ただし、頭痛の原因はさまざまであり、必ずしも麻酔薬が直接の原因とは限りません。

軽度の頭痛は休息や水分補給などで改善することがありますが、急激に起こった強い頭痛や、意識の変化、手足のしびれなどを伴う場合は、緊急の評価が必要です。

7.麻酔後の症状はどのくらい続く?

麻酔後の症状が続く時間には個人差があります。

使用した麻酔薬の種類や量、手術時間、年齢、体調などによって回復速度は異なります。

眠気やふらつきなどは数時間で軽減することもありますが、翌日まで影響が残る場合もあります。

また、吐き気などが手術翌日以降に続くこともあります。

「手術が終わったから、すぐに普段どおり生活できる」というわけではありません。

手術当日は十分に休息を取ることが大切です。

8.こんな症状がある場合は注意

麻酔後には一時的な症状が現れることがありますが、すべてを「麻酔の影響だから大丈夫」と判断してはいけません。

特に、

・息苦しさ、呼吸困難
・胸の痛み
・意識がはっきりしない状態が続く
・繰り返す激しい嘔吐
・水分が取れないほどの吐き気
・強い頭痛や手足の麻痺
・失神や強いふらつき

などがある場合には注意が必要です。

症状によっては、出血や呼吸器・循環器系の合併症などが隠れている可能性もあります。

呼吸困難、胸痛、意識障害などがある場合は、速やかに救急医療機関を受診する必要があります。

また、症状が強い場合や改善しない場合は、手術を受けた医療機関へ連絡してください。

9.麻酔後に気をつけたいこと

麻酔後は、以下の点に注意しましょう。

・手術当日は無理をせず、十分に休息を取る
・自動車、バイク、自転車の運転を避ける
・飲酒を控える
・入浴や運動は医師の指示に従う
・食事や水分摂取は、意識や飲み込みの状態を確認して再開する
・処方された薬は指示どおり使用する

また、静脈麻酔や全身麻酔のあとは、ご自身では普段どおりのつもりでも、判断力が十分に回復していないことがあります。

手術内容や麻酔方法によっては、ご家族などの付き添いをお願いする場合があります。

まとめ|麻酔後の症状を知っておくことが大切

美容外科で静脈麻酔や全身麻酔を受けたあとには、

・吐き気、嘔吐
・眠気、だるさ
・ふらつき、めまい
・寒気、震え
・のどの痛み
・頭痛

などが起こることがあります。

多くは一時的な症状ですが、なかには医療機関での対応が必要な場合もあります。

麻酔後の症状について事前に知っておくことは、安全に手術を受けるためにも大切です。

過去に麻酔で気分が悪くなった経験がある方や、麻酔に不安がある方は、カウンセリングの際に医師へご相談ください。

次回は、

「美容整形の麻酔は危険?安全のために確認していること」

について詳しく解説します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任

 

第5回 麻酔前の絶食・絶飲はなぜ必要?食べてしまったら手術できない?

麻酔前の絶食・絶飲はなぜ必要?食べてしまったら手術できない?

静脈麻酔や全身麻酔を受ける前には、

「○時以降は食べないでください」
「○時以降は水分も控えてください」

といった案内を受けることがあります。

患者さまからは、

「少しくらいなら食べても大丈夫ですか?」
「水も飲んではいけないのですか?」
「朝ごはんを食べてしまったら手術できませんか?」

といったご質問をいただくことがあります。

麻酔前の絶食・絶飲は、単なる決まりではありません。

麻酔中の重大な合併症を防ぐために、とても重要な準備のひとつです。

今回は、美容外科で静脈麻酔や全身麻酔を受ける前に、なぜ絶食・絶飲が必要なのかを解説します。

なぜ麻酔前に絶食が必要なの?

麻酔をかけると、意識だけでなく、体を守るための反射も弱くなることがあります。

通常、胃の内容物が逆流してきても、むせたり咳をしたりすることで肺に入るのを防いでいます。

しかし、麻酔中はこの反射が弱くなり、胃の内容物が逆流すると、そのまま気管や肺に入ってしまうことがあります。

これを「誤嚥」といいます。

誤嚥するとどうなる?

胃の内容物が肺に入ると、誤嚥性肺炎や重い呼吸障害を起こすことがあります。

胃液は強い酸性のため、少量でも肺に入ると炎症を起こす可能性があります。

重症の場合には、酸素投与や人工呼吸管理、入院治療が必要になることもあります。

そのため、麻酔前には胃の中をできるだけ空にしておく必要があります。

静脈麻酔でも絶食は必要?

「全身麻酔ではないから、静脈麻酔なら食べても大丈夫では?」

と思われる方もいるかもしれません。

しかし、静脈麻酔でも、麻酔が深くなると意識が低下し、咳や嚥下などの反射が弱くなることがあります。

また、体質や薬剤への反応によっては、予定していたより深い鎮静状態になることもあります。

そのため、静脈麻酔でも、手術内容や麻酔の深さに応じて絶食・絶飲が必要になります。

水も飲んではいけないの?

食事だけでなく、飲み物にも注意が必要です。

ただし、「食事」と「透明な水分」では、胃から排出されるまでの時間が異なります。

水やお茶などの透明な飲み物は比較的早く胃から移動しますが、牛乳や乳製品、果肉入りジュースなどは胃に長く残ることがあります。

そのため、

・水
・お茶
・牛乳
・ジュース
・コーヒー
・スポーツドリンク

などで、飲んでよい時間が異なる場合があります。

絶飲の時間については、必ずクリニックからの指示に従ってください。

あめやガムも注意が必要

「食事をしていないから大丈夫」と思っていても、

・あめ
・ガム
・タブレット
・ゼリー飲料

などを口にしている場合があります。

これらも内容によっては絶食に影響することがあります。

手術当日は、自己判断せず、指示されたもの以外は口にしないようにしましょう。

絶食中に薬は飲んでいい?

普段飲んでいる薬については、自己判断で中止したり、いつも通り飲んだりしないことが大切です。

薬によっては手術当日の朝も服用したほうがよいものもあれば、一時的に中止が必要なものもあります。

特に、

・血液をサラサラにする薬
・糖尿病の薬
・血圧の薬
・睡眠薬
・向精神薬
・サプリメント

などは、事前に確認が必要です。

服用する場合の水分量についても、医師やクリニックの指示に従ってください。

間違えて食べてしまったらどうする?

もし手術当日に、絶食時間を過ぎて食事をしてしまった場合は、必ず医師やスタッフへ伝えてください。

「少しだけだから黙っておこう」と考えるのは危険です。

食べた内容や時間によっては、麻酔開始時間を遅らせたり、手術そのものを延期したりすることがあります。

手術を予定通り受けたいというお気持ちはあると思いますが、安全を優先することが最も大切です。

食べたことを隠すと危険です

麻酔前の食事については、正確に申告してください。

麻酔を担当する側は、胃の中を見ることはできません。

そのため、

「何時に何を食べたか」
「何時に何を飲んだか」

という情報が、安全に麻酔を行うための重要な判断材料になります。

絶食・絶飲が守れていないこと自体を責めるための確認ではありません。

麻酔方法や手術時間を安全に判断するために必要な情報です。

何時間前から食べてはいけないの?

必要な絶食・絶飲時間は、

・麻酔方法
・食事内容
・患者さまの年齢
・持病
・胃腸の状態
・手術内容

などによって異なります。

そのため、一律に「○時間前なら必ず大丈夫」と自己判断することはおすすめできません。

手術を受ける医療機関から案内された時間を守ることが大切です。

まとめ

静脈麻酔や全身麻酔の前に絶食・絶飲が必要なのは、胃の内容物が逆流し、肺に入る「誤嚥」を防ぐためです。

誤嚥は、肺炎や呼吸障害などの重大な合併症につながる可能性があります。

手術前には、

・指定された絶食・絶飲時間を守る
・薬について事前に確認する
・食べたり飲んだりしてしまった場合は正直に伝える

ことが大切です。

麻酔前の指示には、それぞれ安全上の理由があります。

「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、不明な点があれば手術前に医師やスタッフへ確認しましょう。

次回は、
「麻酔後に起こりやすい症状とは?吐き気・ふらつき・のどの痛みについて」
詳しく解説します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任

 

第4回 全身麻酔と静脈麻酔は何が違う?美容外科での使い分けを解説

全身麻酔と静脈麻酔は何が違う?美容外科での使い分けを解説

美容外科のカウンセリングでは、

「静脈麻酔と全身麻酔は何が違うのですか?」
「どちらも眠るなら同じではないですか?」
「全身麻酔のほうが危険ですか?」
「静脈麻酔のほうが体への負担は少ないですか?」

といったご質問をいただくことがあります。

静脈麻酔と全身麻酔は、どちらも「眠った状態で手術を受ける」という点では似ていますが、麻酔の深さや呼吸管理などに違いがあります。

今回は、美容外科で行われる静脈麻酔と全身麻酔の違いについて解説します。

静脈麻酔とは?

静脈麻酔は、点滴から麻酔薬や鎮静薬を投与し、眠ったような状態にする麻酔です。

使用する薬剤や量によって、うとうとした状態から深く眠った状態まで調整します。

美容外科では、局所麻酔と組み合わせて使用することも多くあります。

静脈麻酔中は自分で呼吸することを基本とする場合が多いですが、麻酔が深くなると呼吸が弱くなり、酸素投与や気道確保、呼吸の補助が必要になることもあります。

全身麻酔とは?

全身麻酔は、麻酔薬によって意識をなくし、手術中の意識や痛みをコントロールする方法です。

手術内容に応じて、気管挿管や声門上器具などを用いて気道を確保し、人工呼吸による呼吸管理を行います。

比較的長時間の手術や、身体への負担が大きい手術、手術中に患者さまが動かないことが重要な場合などに選択されることがあります。

静脈麻酔と全身麻酔の大きな違い

大きな違いのひとつは、麻酔の深さと呼吸管理です。

静脈麻酔では、ある程度自分で呼吸できる状態を保ちながら行うことがあります。

一方、全身麻酔ではより深い麻酔状態となり、気道を確保して呼吸を管理することが一般的です。

ただし、実際の麻酔にはさまざまな深さがあります。

静脈麻酔でも深い鎮静状態になれば呼吸が弱くなることがあり、全身麻酔に近い管理が必要になる場合もあります。

そのため、両者を単純に線引きできないケースもあります。

静脈麻酔なら途中で目が覚めることがある?

静脈麻酔では、麻酔の深さによっては呼びかけに反応したり、一時的に意識が浅くなったりすることがあります。

手術中の一部を覚えている方もいます。

一方、全身麻酔では原則として手術中の意識をなくした状態を維持します。

「絶対に手術中のことを覚えていたくない」という希望がある場合でも、患者さまの全身状態や手術内容を考慮したうえで麻酔方法を決定します。

全身麻酔のほうが危険?

「全身麻酔=危険、静脈麻酔=安全」と考えられることがありますが、単純には比較できません。

静脈麻酔にも、

・呼吸抑制
・低酸素血症
・血圧低下
・不整脈
・嘔吐
・誤嚥

などのリスクがあります。

全身麻酔にも、

・呼吸や循環への影響
・吐き気や嘔吐
・のどの痛みや声のかすれ
・歯や口腔内の損傷
・薬剤へのアレルギー反応

などのリスクがあります。

重要なのは「どちらが絶対に安全か」ではなく、手術内容と患者さまの状態に対して、どの方法が適しているかということです。

静脈麻酔が向いていることがある手術

比較的短時間の手術や、局所麻酔を併用できる手術では、静脈麻酔が選択されることがあります。

たとえば、

・目元の手術
・鼻の手術
・脂肪吸引
・比較的小範囲の美容外科手術

などで使用されることがあります。

ただし、同じ手術であっても、手術時間や範囲、患者さまの全身状態によって麻酔方法は変わります。

全身麻酔が向いていることがある手術

全身麻酔は、比較的大きな手術や長時間の手術などで選択されることがあります。

たとえば、

・豊胸手術
・広範囲の脂肪吸引
・フェイスリフト
・複数の手術を同時に行う場合

などです。

また、手術中に体を動かさず、安定した呼吸管理が必要な場合にも全身麻酔が適していることがあります。

「静脈麻酔のほうが体に優しい」とは限らない

患者さまから、

「できれば体に負担の少ない静脈麻酔にしたいです」

と言われることがあります。

しかし、長時間の手術を無理に静脈麻酔で行うことが、必ずしも負担を減らすとは限りません。

手術内容によっては、最初から気道を確保し、呼吸や麻酔の深さを安定して管理できる全身麻酔のほうが適していることもあります。

麻酔方法は「できるだけ軽いもの」を選ぶのではなく、手術を安全に行うために適した方法を選ぶことが大切です。

麻酔方法を決めるときに確認すること

麻酔方法を決める際には、手術だけではなく患者さま自身の状態も重要です。

特に、

・年齢
・心臓や肺の病気
・高血圧や糖尿病などの持病
・睡眠時無呼吸症候群
・肥満
・内服薬
・アレルギー
・過去の麻酔歴
・喫煙、飲酒習慣

などを確認します。

これまで麻酔を受けた際に、強い吐き気や呼吸のトラブルなどがあった場合も事前にお伝えください。

まとめ

静脈麻酔と全身麻酔は、どちらも美容外科で使用される麻酔方法ですが、麻酔の深さや呼吸管理などに違いがあります。

静脈麻酔だから安全、全身麻酔だから危険というわけではありません。

また、静脈麻酔だから必ず体への負担が少ないとも限りません。

手術の内容や時間、患者さまの全身状態などを考慮し、その手術を安全に行うために適した麻酔方法を選択することが重要です。

「麻酔が怖い」
「以前、麻酔で気分が悪くなった」
「できれば眠って手術を受けたい」

など、ご不安やご希望があれば事前に医師へご相談ください。

次回は、
「麻酔前の絶食・絶飲はなぜ必要?食べてしまったら手術できない?」
について詳しく解説します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任