第8回 傷跡は何年経っても治療できる?形成外科専門医が治療のタイミングを解説

「昔の傷跡だから治療できない」と諦めていませんか?傷跡は何年経っていても改善が期待できる場合があります。傷跡治療を始めるタイミングや、早めに受診した方がよいケースについて形成外科専門医が解説します。


傷跡は何年経っても治療できる?

形成外科専門医が治療のタイミングを解説

「子どもの頃のケガの傷跡が気になる」
「何年も前の手術跡だけど、今からでも治療できる?」

このようなご相談をいただくことがあります。

実際には、傷跡は何年経っていても改善が期待できる場合があります。

もちろん、すべての傷跡が完全になくなるわけではありませんが、傷跡の種類や状態に応じて、より目立ちにくくするための治療をご提案できます。


傷跡は時間が経つとどうなる?

傷跡は、一般的に術後6か月〜1年ほどかけて成熟します。

この間は、

  • 赤みがある
  • 硬さがある
  • 少し盛り上がる

といった変化がみられることがありますが、多くは時間の経過とともに落ち着いていきます。

そのため、術後すぐに傷跡修正手術を行うことは少なく、まずは経過をみることが一般的です。


昔の傷跡でも治療できる?

「何年も前の傷だから、もう治療は無理ですよね?」

そんなことはありません。

例えば、

  • 幅が広がった傷跡
  • 凹みや段差のある傷跡
  • 赤みや盛り上がりが続く傷跡
  • 引きつれのある傷跡

などは、何年経過していても改善が期待できる場合があります。

気になる傷跡があれば、一度形成外科専門医に相談してみましょう。


早めに受診した方がよいケース

一方で、傷跡の中には早めの治療が望ましいものもあります。

例えば、

  • ケロイドが大きくなっている
  • 強いかゆみや痛みがある
  • 傷跡がどんどん盛り上がっている
  • 皮膚が引きつれて動かしにくい

このような症状がある場合は、放置せず早めの受診をおすすめします。

早期に治療を開始することで、症状の悪化を防げることがあります。


傷跡の治療方法はさまざま

傷跡の状態に応じて、

  • 外用薬
  • テーピング
  • ステロイド治療
  • レーザー治療
  • 傷跡修正手術

などを組み合わせながら治療を行います。

「この治療がすべての傷跡に効果がある」というものではなく、患者様一人ひとりに合わせた治療計画が大切です。


形成外科専門医に相談するメリット

形成外科では、傷跡の見た目だけでなく、

  • 傷跡ができた原因
  • 現在の状態
  • 生活への影響
  • 将来的な変化

まで考慮して治療方針を決定します。

「治療が必要なのか」
「経過を見てもよいのか」

という判断も含めて、ご説明いたします。


よくある質問

Q. 10年以上前の傷跡でも治療できますか?

はい。傷跡の状態によっては、何年経過していても改善が期待できる場合があります。

Q. 傷跡は時間が経てば自然に消えますか?

時間とともに目立ちにくくなることはありますが、完全に消えることはありません。

Q. 傷跡が気になる場合は、いつ相談すればいいですか?

気になった時点でご相談いただいて構いません。現在の状態を診察し、治療が必要かどうかをご説明いたします。


まとめ

傷跡は、時間が経っているからといって治療できないわけではありません。

また、傷跡の種類によっては、早めの治療が望ましいケースもあります。

「昔の傷だから仕方ない」と諦めず、まずは形成外科専門医へご相談ください。

患者様一人ひとりの傷跡に合わせて、最適な治療方法をご提案いたします。


シリーズまとめ

全7回にわたり、「傷跡」をテーマにお届けしました。

  • 第1回:傷跡はどこまできれいになる?
  • 第2回:傷跡が目立ちやすい人・目立ちにくい人
  • 第3回:ケロイドと肥厚性瘢痕の違い
  • 第4回:傷跡をきれいに治すセルフケア
  • 第5回:美容整形の傷跡は目立つ?
  • 第6回:傷跡修正手術とは?
  • 第7回:傷跡は何年経っても治療できる?

傷跡にはさまざまな種類があり、治療法も一つではありません。

形成外科では、「できるだけ目立たない傷跡」を目指して、手術から術後のケア、必要に応じた修正治療まで一貫してサポートしています。

傷跡でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任

 

第7回 傷跡修正手術とは?どんな傷跡が治療できる?形成外科専門医が解説

「傷跡を少しでも目立たなくしたい」「昔の手術跡をきれいにしたい」とお考えではありませんか?傷跡修正手術で改善が期待できるケースや治療方法、受診のタイミングについて形成外科専門医が解説します。


傷跡修正手術とは?

どんな傷跡が治療できる?形成外科専門医が解説

「昔の手術跡が気になる」
「ケガの傷跡をもう少しきれいにしたい」

このようなお悩みで形成外科を受診される方は少なくありません。

傷跡は完全に消すことはできませんが、傷跡の状態によっては、より目立ちにくく改善できる可能性があります。

今回は、傷跡修正手術について詳しくご紹介します。


傷跡修正手術とは?

傷跡修正手術とは、目立つ傷跡や引きつれた傷跡を修正し、より自然な状態を目指す治療です。

単純に傷を切り取るだけではなく、

  • 傷にかかる力を分散する
  • 傷の向きを変える
  • 引きつれを改善する

など、一人ひとりの傷跡に合わせた方法を選択します。


どんな傷跡が治療の対象になる?

傷跡修正手術が検討される代表的なケースをご紹介します。

幅が広がってしまった傷跡

傷に強い力が加わると、時間の経過とともに傷跡が広がってしまうことがあります。

このような場合は、傷跡を切除して丁寧に縫い直すことで改善が期待できます。


凹みや段差のある傷跡

ケガや手術後に皮膚が癒着すると、凹みや段差が目立つことがあります。

癒着を解除し、必要に応じて皮膚や皮下組織を整えることで、なめらかな状態を目指します。


引きつれがある傷跡

関節や口元、まぶたなどでは、傷跡によって皮膚が引っ張られ、動きにくくなることがあります。

見た目だけでなく、機能面の改善を目的に手術を行うこともあります。


ケロイド・肥厚性瘢痕

盛り上がった傷跡では、手術だけではなく、ステロイド治療や圧迫療法などを組み合わせることがあります。

傷跡の状態に合わせて最適な治療法を選択します。


傷跡修正手術の方法

傷跡の状態によって術式は異なります。

代表的な方法には、

  • 瘢痕切除術
  • Z形成術
  • W形成術
  • 局所皮弁形成術

などがあります。

形成外科では、見た目だけでなく、皮膚の動きや機能も考慮して治療方法を選択します。


手術を受けるタイミングは?

傷跡は術後すぐに修正することは少なく、一般的には傷跡が成熟する6か月〜1年程度待つことが多いです。

ただし、

  • 強い引きつれ
  • 機能障害
  • ケロイド

などでは、早めの治療が望ましい場合もあります。

「まだ早いかな?」と思っていても、まずは一度相談することをおすすめします。


形成外科専門医だからできること

形成外科では、単に傷跡を切り取るのではなく、

  • 傷にかかる力を考えたデザイン
  • 皮膚のしわやラインを意識した切開
  • 緊張を分散する縫合

などを組み合わせながら、より目立ちにくい傷跡を目指します。

また、手術だけでなく、術後のケアまで含めてサポートすることも大切にしています。


よくある質問

Q. 傷跡は完全になくなりますか?

傷跡を完全になくすことはできませんが、目立ちにくく改善できる可能性があります。

Q. 何年前の傷跡でも治療できますか?

はい。数年前、あるいは何十年も前の傷跡でも、状態によっては治療の対象となります。

Q. 他院で受けた手術の傷跡も相談できますか?

もちろん可能です。他院で受けられた手術やケガによる傷跡についても、お気軽にご相談ください。


まとめ

傷跡は「もう治らない」と諦める必要はありません。

傷跡の種類や状態に応じて適切な治療を行うことで、見た目や機能の改善が期待できる場合があります。

「傷跡が気になっている」「修正できるか知りたい」という方は、形成外科専門医へご相談ください。

一人ひとりの傷跡に合わせた治療方法をご提案いたします。


次回予告

「傷跡は何年経っても治療できる?形成外科専門医が治療のタイミングを解説」

「10年前の傷跡でも治療できる?」「いつ受診すればいい?」など、傷跡治療のタイミングや受診の目安について詳しくご紹介します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任

 

第6回 美容整形の傷跡は目立つ?施術別の傷跡と目立ちにくくする工夫を形成外科専門医が解説

美容整形を検討している方の多くが気になる「傷跡」。二重整形や鼻整形、豊胸、脂肪吸引などの傷跡はどこにできるのでしょうか?施術ごとの特徴と、目立ちにくくする工夫を形成外科専門医が解説します。


美容整形の傷跡は目立つ?

施術別の傷跡と目立ちにくくする工夫を形成外科専門医が解説

「美容整形を受けたいけれど、傷跡が残るのが心配…」

カウンセリングでも、患者様からよくいただくご相談です。

美容外科では、見た目の変化だけでなく、傷跡ができるだけ目立たないようにデザインし、丁寧に縫合することも大切なポイントです。

今回は、代表的な美容整形の傷跡についてご紹介します。


二重整形の傷跡

埋没法

埋没法はメスを使わずに糸で固定するため、皮膚表面に目立つ傷跡はほとんど残りません。

針穴は数日で目立たなくなることが一般的です。

切開法

切開法では二重ラインに沿って切開するため傷はできますが、二重のラインに重なるため、時間とともに目立ちにくくなることが多いです。


鼻整形の傷跡

鼻整形では術式によって傷の位置が異なります。

  • オープン法:鼻柱(左右の鼻の穴の間)
  • 鼻翼縮小:小鼻の付け根や鼻の穴の内側
  • 鼻プロテーゼ:鼻の穴の中

外から見えにくい位置を選択したり、鼻のしわに沿って切開したりすることで、傷跡が目立ちにくいよう工夫しています。


クマ取り(裏ハムラ・経結膜脱脂)の傷跡

裏ハムラ法や経結膜脱脂法では、下まぶたの裏側(結膜)からアプローチするため、皮膚表面に傷跡はできません。

皮膚を切らないことは、この術式の大きなメリットの一つです。

一方、表ハムラ法ではまつ毛の際に沿って切開するため傷はできますが、時間とともに目立ちにくくなることが一般的です。


豊胸手術の傷跡

豊胸手術では、切開部位によって傷跡の位置が異なります。

例えば、

  • ワキ
  • 乳房の下(乳房下縁)
  • 乳輪周囲

などがあります。

患者様の体型やご希望に合わせて切開部位を選択し、できるだけ目立ちにくい位置を考慮しています。


脂肪吸引の傷跡

脂肪吸引では、カニューレを挿入するために数ミリ程度の小さな切開を行います。

傷は、

  • 耳の後ろ
  • あごの下
  • ワキ
  • 鼠径部

など、できるだけ目立ちにくい場所を選ぶことが一般的です。

時間の経過とともに目立ちにくくなることが多いですが、術後のケアも重要です。


傷跡を目立ちにくくするために大切なこと

傷跡をきれいに治すためには、

  • 切開部位のデザイン
  • 丁寧な縫合
  • 傷に負担をかけない工夫
  • 術後のテーピングや紫外線対策

など、手術からアフターケアまで一貫した配慮が必要です。

形成外科では、傷跡も治療の一部として考えています。


よくある質問

Q. 美容整形の傷跡は完全になくなりますか?

完全になくなることはありませんが、多くの場合、時間の経過とともに目立ちにくくなります。

Q. 傷跡が目立ちにくい施術はありますか?

埋没法や経結膜脱脂法(クマ取り)など、皮膚表面を切開しない施術では、目立つ傷跡はほとんど残りません。

Q. 傷跡が気になる体質ですが、美容整形はできますか?

体質によって傷跡の治り方には個人差があります。気になる方は、カウンセリングで過去の傷跡の経過なども含めてご相談ください。


まとめ

美容整形では、施術によって傷跡のできる場所は異なります。

しかし、できるだけ目立ちにくい位置を選び、丁寧に縫合し、適切な術後ケアを行うことで、自然な仕上がりを目指すことができます。

傷跡が心配で手術を迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。患者様一人ひとりに合った施術方法や傷跡について、わかりやすくご説明いたします。


次回予告

「傷跡修正手術とは?どんな傷跡が治療できるのか形成外科専門医が解説」

「昔の手術跡をきれいにしたい」「ケガの傷跡が気になる」など、傷跡修正手術で改善が期待できるケースや治療方法について詳しくご紹介します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任