第1回 美容外科の麻酔にはどんな種類がある?局所麻酔・静脈麻酔・全身麻酔の違いを解説

美容外科の麻酔にはどんな種類がある?局所麻酔・静脈麻酔・全身麻酔の違いを解説

美容外科の手術を考えるとき、

「手術そのものより麻酔が怖い」
「手術中に痛みを感じないか心配」
「静脈麻酔と全身麻酔は何が違うの?」

と不安に感じる方は少なくありません。

美容外科で使用する麻酔には、主に局所麻酔、笑気麻酔、静脈麻酔、全身麻酔があります。

どの麻酔を使用するかは、手術内容や手術時間、患者さまの体調、不安の程度などによって異なります。

今回は、美容外科でよく使われる麻酔の種類と、それぞれの特徴についてわかりやすく解説します。

美容外科で使われる麻酔は主に4種類

美容外科で使用される代表的な麻酔には、以下の4つがあります。

・局所麻酔
・笑気麻酔
・静脈麻酔
・全身麻酔

「できるだけ強い麻酔を使ったほうが安心」と思われる方もいますが、麻酔は強さだけで選ぶものではありません。

手術の大きさや時間、患者さまの状態に応じて、適切な方法を選択することが大切です。

1.局所麻酔とは?

局所麻酔は、手術を行う部分に麻酔薬を注射し、その部分の痛みを感じにくくする方法です。

二重整形やほくろ切除、傷跡治療など、比較的小範囲の手術で使用されることがあります。

局所麻酔の注射をするときには、チクッとした痛みや、薬液が入るときの刺激を感じることがあります。

麻酔が十分に効いたあとは、痛みは感じにくくなりますが、

・触られている感じ
・押される感じ
・引っ張られる感じ

などは残ることがあります。

「感覚がある=麻酔が効いていない」というわけではありません。

2.笑気麻酔とは?

笑気麻酔は、鼻や口から笑気ガスを吸入し、不安や緊張を和らげる方法です。

完全に意識がなくなる麻酔ではなく、少しぼんやりしたり、ふわっとした感覚になったりします。

局所麻酔の注射が怖い方や、手術に対する緊張が強い方に併用することがあります。

3.静脈麻酔とは?

静脈麻酔は、点滴から麻酔薬を投与し、眠ったような状態で手術を受ける方法です。

美容外科では比較的よく使用される麻酔方法のひとつです。

手術に対する恐怖心が強い方や、ある程度時間のかかる手術で選択されることがあります。

「眠っている間に手術を終えたい」という方にとっては大きなメリットがあります。

一方、使用する薬剤や投与量によっては、

・呼吸が浅くなる
・血圧が低下する
・酸素飽和度が低下する

といった変化が起こる可能性があります。

そのため、手術中は血圧、心拍数、酸素飽和度などを確認しながら管理します。

4.全身麻酔とは?

全身麻酔は、麻酔薬によって意識をなくした状態で手術を行う方法です。

手術内容によっては、気道を確保して呼吸を管理しながら行います。

比較的大きな手術や、長時間に及ぶ手術などで選択されることがあります。

患者さまからは、

「静脈麻酔と全身麻酔は同じですか?」

と聞かれることがありますが、意識の深さや呼吸管理の方法などに違いがあります。

静脈麻酔と全身麻酔の違いは?

静脈麻酔と全身麻酔は、どちらも「眠って手術を受ける」という点では似ています。

しかし、麻酔の深さや呼吸管理の方法、使用する薬剤などが異なります。

どちらが適しているかは、手術内容や手術時間、患者さまの状態によって判断します。

必ずしも「全身麻酔のほうが安全」「静脈麻酔のほうが体に負担が少ない」と単純に決められるものではありません。

美容整形の麻酔は「強いほど良い」わけではありません

麻酔について、

「一番強い麻酔にしてほしい」
「完全に眠っていたほうが安全ですよね?」

と希望される方もいます。

しかし、麻酔は単純に強い・弱いで選ぶものではありません。

麻酔を決める際には、

・手術内容
・手術時間
・年齢
・持病
・内服薬
・アレルギー
・過去の手術や麻酔歴

などを確認します。

必要以上に深い麻酔を使用することが、必ずしも患者さまにとってメリットになるわけではありません。

麻酔に不安がある方は事前に相談しましょう

美容整形を検討されている方の中には、手術そのものよりも麻酔を心配されている方もいます。

特に、

「麻酔で目が覚めなかったらどうしよう」
「途中で目が覚めたら怖い」
「吐き気が出やすい」
「以前麻酔で気分が悪くなった」

といった経験や不安がある場合は、事前に医師へ伝えておくことが大切です。

安全に手術を受けるためにも、ご自身の既往歴や内服薬、過去の麻酔経験などは正確にお伝えください。

まとめ

美容外科で使用される麻酔には、局所麻酔、笑気麻酔、静脈麻酔、全身麻酔などがあります。

それぞれに特徴があり、手術内容や患者さまの状態に応じて適切な方法を選択します。

「できるだけ眠っていたい」
「麻酔が怖い」
「以前麻酔で気分が悪くなった」

など、ご不安なことがあればカウンセリングの際にご相談ください。

次回は、
「局所麻酔って痛い?美容整形で局所麻酔を使うときの痛みと注意点」
について詳しく解説します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任