第4回 傷跡をきれいに治すために今日からできること

傷跡をきれいに治すためには、手術だけでなく術後のセルフケアも大切です。テーピングや保湿、紫外線対策など、自宅でできる傷跡ケアのポイントを形成外科専門医が解説します。


傷跡をきれいに治すために今日からできること

形成外科専門医が教える正しいセルフケア

「傷跡を少しでもきれいに治したい。」
これは、手術やケガのあと、多くの方が抱く願いではないでしょうか。

傷跡の仕上がりは、手術の方法だけで決まるものではありません。

術後のセルフケアも、傷跡を目立ちにくくするための大切なポイントです。

今回は、ご自宅でできる傷跡ケアについてご紹介します。


傷跡は術後のケアで変わることがあります

傷は閉じたあとも、皮膚の中では修復が続いています。

この時期に傷へ強い刺激が加わると、赤みや盛り上がりが長引くことがあります。

そのため、医師の指示に従って適切なケアを続けることが大切です。


① テーピングで傷への負担を減らす

術後にテープを貼る理由は、傷にかかる引っ張る力を和らげるためです。

皮膚は日常生活の中で常に動いています。

テーピングによって傷への負担を軽減することで、傷跡が広がるリスクを抑えられる場合があります。

テープの種類や貼る期間は手術内容や部位によって異なるため、自己判断ではなく医師の指示に従いましょう。


② 紫外線対策を徹底する

術後の傷跡は、紫外線の影響を受けやすい状態です。

紫外線を浴びることで、

  • 色素沈着
  • 赤みが長引く
  • 傷跡が目立ちやすくなる

ことがあります。

外出時は日焼け止めや帽子、衣類などを活用し、傷跡を紫外線から守りましょう。


③ 保湿で皮膚の状態を整える

傷が完全に閉じたあとは、保湿も大切なケアの一つです。

皮膚の乾燥を防ぐことで、バリア機能を保ちやすくなります。

ただし、傷口がまだ完全に閉じていない時期は、自己判断でクリームなどを使用せず、医師の指示に従ってください。


④ 傷をこすらない・引っ張らない

傷跡は、繰り返し刺激を受けることで治りが遅くなることがあります。

例えば、

  • 強くこする
  • かさぶたを無理にはがす
  • マッサージを早い時期から始める

といった行為は避けましょう。

傷跡には必要以上の刺激を与えないことが大切です。


⑤ バランスの良い食事と禁煙を心がける

傷を修復するためには、十分な栄養も必要です。

特に、

  • たんぱく質
  • ビタミンC
  • 亜鉛

などは皮膚の修復に欠かせません。

また、喫煙は血流を悪くし、傷の治りを遅らせる原因となるため、術後は禁煙をおすすめします。


自己判断せず、気になることは相談を

「赤みが続いている」
「傷が少し盛り上がってきた」
「このまま様子を見て大丈夫?」

そんな時は、自己判断せず、手術を受けたクリニックや形成外科専門医に相談しましょう。

必要に応じて早めに治療を開始することで、傷跡の改善につながる場合があります。


よくある質問

Q. 市販の傷跡クリームは使った方がいいですか?

傷の状態によって適したケアは異なります。自己判断で使用する前に、医師へ相談することをおすすめします。

Q. テープは長く貼るほど良いですか?

テーピングは傷への負担を軽減する目的がありますが、貼る期間は部位や手術内容によって異なります。医師の指示に従いましょう。

Q. 傷跡の赤みはいつ頃落ち着きますか?

個人差はありますが、数か月かけて徐々に落ち着き、1年前後で成熟することが一般的です。


まとめ

傷跡をきれいに治すためには、手術だけでなく、術後のセルフケアも重要です。

テーピングや紫外線対策、保湿などを適切に行うことで、傷跡が目立ちにくくなる可能性があります。

焦らず、医師と相談しながらケアを続けることが、きれいな傷跡への近道です。


次回予告

「美容外科の傷跡は目立つ?施術ごとの傷跡と工夫を形成外科専門医が解説」

二重整形、鼻整形、豊胸、脂肪吸引など、美容外科でよく行われる施術の傷跡について、「どこにできるのか」「どのような工夫で目立ちにくくしているのか」を詳しくご紹介します。

 

記事監修

広島プルミエクリニック 副院長 延美緒

形成外科専門医

所属学会・専門医・認定医
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本美容外科学会(JSAPS)正会員
  • 日本美容皮膚科学会 会員
  • ジュビダームビスタ 施注認定医
  • ボットクスビスタ 施注認定医
経歴
2011年 岡山大学医学部 医学科卒業
様々な科の中でも腫瘍切除後の形態再建を担う形成外科に興味を抱く
2011年 国立病院機構 岩国医療センターにて研修
医学博士取得
2013年 同 岩国医療センター 医員
研鑚を積み、形成外科医として腫瘍切除や植皮など形成外科的治療に携わる
2014年 岡山大学附属病院 形成外科
再建やリンパ浮腫、外傷、ジェンダーなど幅広く形成領域の治療を行う
2016年 岩国医療センター 形成外科
眼瞼下垂や熱傷、鼻の再建、腋臭症のオペなど、形成外科医としてより深く研鑚を積む
2018年 日本形成外科学会 専門医 取得
2019年 日本美容皮膚科学会 会員
2019年 県内美容皮膚科 勤務
美容皮膚科の診療に積極的に取り組む
2020年 広島プルミエクリニック 入職
形成外科専門医の知識と技術を美容外科・美容皮膚科へ活かす為、広島プルミエクリニックへ
2024年 広島プルミエクリニック 副院長就任